Ollamaとros2aiで自然言語でロボットを動かす!徹底解説

Ollamaとros2aiで自然言語でロボットを動かす!徹底解説 ローカルLLM

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1. 自然言語でロボットを動かす?挑戦の背景

ロボット開発の現場では、ROS2を用いたシミュレーションが主流ですが、従来はコードで明確なロジックを組む必要があります。筆者もこれまで、TurtleBot3のGazeboシミュレーションをROS2で動かす実験を繰り返してきました。しかし、ある日「自然言語で指示を出したら、ロボットが勝手に動いてくれないだろうか?」という疑問が浮かんだのです。この記事では、Ollamaとros2aiを活用してその実現に挑んだ結果を公開します。

この実験の目的は、「LLM→ros2ai→ROS2 CLI実行→Gazeboロボット動作」というフローを構築すること。具体的には、ユーザーが「前進してください」と指示すると、Ollamaがそれを解析し、ros2ai経由で`/cmd_vel`を1回だけpublishする仕組みです。ローカルLLMの利用により、クラウド依存を排除した自立的なシステムを目指しました。

筆者の実行環境は、Core i7 7th Gen、32GBメモリ、GeForce RTX 2070 GPU、Ubuntu 22.04。LLMモデルとしてllama3.2:3bを採用し、ROS2のバージョンはHumbleです。この構成で、自然言語からロボット動作を制御する可能性を検証しました。

この取り組みは、ロボット開発の民主化に貢献する可能性があります。プログラミング知識がなくても、自然言語で指示を出せるようになれば、幅広いユーザーがロボットの活用が可能になります。

2. Ollamaとros2aiの連携仕組み

OllamaはローカルでLLMを実行するツールで、今回はllama3.2:3bモデルを採用。量子化技術を活用して、RTX 2070のGPUでスムーズに動作させています。ros2aiはROS2 CLIの自動化を目的としたツールで、LLMからの出力をコマンドに変換します。この連携により、自然言語からROS2の動作を制御するフローが可能になります。

具体的な手順は以下の通りです。ユーザーが「前進してください」と入力すると、Ollamaがこれを解析し、ros2aiが`ros2 ai exec`コマンドを発行。このコマンドは、`/cmd_vel`トピックに`linear: {x: 0.1, y: 0.0, z: 0.0}`をpublishします。これにより、Gazebo内のTurtleBot3が0.1m/sで前進します。

この仕組みの強みは、LLMの柔軟性とROS2の堅牢性を組み合わせた点です。たとえば、「左に90度回転してください」と指示すれば、Ollamaが`angular: {z: 0.5}`を生成し、ロボットが回転します。ただし、曖昧な指示(例:「ゆっくり前進」)ではエラーが発生します。

ros2aiの設計には安全性が重視されており、複数コマンド(`&&`で連結)は実行しません。これは、LLMが意図しない複数のコマンドを発行するリスクを防ぐためです。筆者はこの設計を「LLMの不確実性に対する合理的な制限」と評価しています。

3. 実験結果と課題

筆者は明確な指示では動作が成功することを確認しました。たとえば、「直進してください」と指示すると、ロボットが正確に0.1m/sで前進します。一方で、「ゆっくり前進」や「少し左に」などの曖昧な指示では、LLMが不適切な出力を行うケースがありました。実際には`Package ‘my_catkin_package’ not found`といったエラーが発生し、システムが停止する事態も。

この問題はプロンプト設計の難しさに起因します。LLMは文脈に応じて出力が変化するため、曖昧な指示に対するロバストな対応は困難です。筆者は「LLMに“賢く速度を考えさせる”のは後回し」という方針を採用し、まずは明確な指示を実装することを優先しました。

性能面では、llama3.2:3bモデルがRTX 2070で十分な速度で応答します。ただし、複雑な処理ではCPUの負荷が高まり、32GBメモリの上限に近づくケースも。将来的には、EXL2量子化やvLLMの採用で性能向上を目指す計画です。

ros2aiのCLI実行速度も重要です。`ros2 ai exec`は即時実行されるため、ロボットの応答が即座に可能です。ただし、複数のコマンドを連続して実行するには、ros2aiの設計上無理があるため、現在は1回のコマンド実行に限定しています。

4. メリットとデメリットの正直な評価

この実験の最大のメリットは、ローカルLLMの活用による自立性です。クラウドAPIに頼らず、自分のPCで完結できる点は、プライバシーやコスト面で大きなメリットです。特に、llama3.2:3bモデルの軽量性と精度のバランスは、ロボット制御に最適です。

もう一つの強みは、ROS2とLLMの連携による柔軟性です。たとえば、複数のロボットを同時に制御したり、環境に応じて動的にコマンドを調整したりする可能性があります。これは、従来のコードベースのシミュレーションでは実現困難な点です。

一方でデメリットもあります。曖昧な指示に対するロバスト性の低さが挙げられます。この問題を解消するには、LLMのプロンプト設計に高度な知識が求められ、現実的な解決には時間がかかります。また、複数コマンドを実行できない点も制約です。

さらに、ハードウェアの制約もあります。RTX 2070ではllama3.2:3bモデルの動作は可能ですが、より大規模なモデル(例:llama3:70b)を扱うにはVRAMが不足します。将来的には、H100やA100のようなプロフェッショナルGPUが必要になるかもしれません。

5. 実装方法と今後の展望

このシステムを再現するには、まずOllamaとros2aiをインストールします。Ubuntu 22.04上でROS2 Humbleを構築し、llama3.2:3bモデルをOllamaにインポートします。その後、ros2aiを用いて`ros2 ai exec`コマンドを実行し、Gazebo内のTurtleBot3を制御します。

具体的なコマンド例は以下の通りです。`ollama run llama3.2:3b`でモデルを起動し、`ros2 ai exec “ros2 topic pub /cmd_vel geometry_msgs/Twist \”linear:\n x: 0.1\n y: 0.0\n z: 0.0\nangular:\n x: 0.0\n y: 0.0\n z: 0.0\” –once”`で`/cmd_vel`をpublishします。このフローを自然言語で指示する仕組みを構築します。

今後の展望として、プロンプトエンジニアリングの進化が期待されます。たとえば、曖昧な指示を明確なコマンドに変換するためのカスタムプロンプトを開発する、といった工夫が求められます。また、他のLLM(例:Mistral、Qwen)との比較検証も有益です。

さらに、この技術はロボット教育や産業用ロボットの操作支援にも応用可能です。たとえば、工場のライン作業員が自然言語でロボットを操作できるようになれば、作業効率が向上します。筆者は、この技術が「ロボット操作の民主化」を推進する鍵になると信じています。

実際の活用シーン

ロボット技術の自然言語制御は、教育現場での活用が期待されます。大学や専門学校のロボット工学の授業では、学生が「ロボットを右に180度回転させ、障害物を回避して目標地点まで移動してください」と指示するだけで、シミュレーション環境で動作確認が可能です。これにより、プログラミング未経験者でもロボットの動作原理を直感的に学ぶことができ、教育の敷居を下げます。

産業分野では、倉庫や工場での作業支援に応用が考えられます。例えば、物流センターの従業員が「カートをA地点からB地点まで運んでください」と指示すれば、AGV(自律走行車両)が自動的にルートを決定して動作します。これにより、従業員の負担を軽減し、作業効率を向上させることができます。また、品質検査の場面では「検査対象の部品を撮影し、欠陥を確認してください」と指示することで、ロボットが自動で検査作業を実行します。

家庭用ロボットの分野でも注目が集まっています。掃除ロボットに「ダイニングテーブルの床を拭いてください」と指示すれば、特定のエリアに絞って動作します。介護ロボットでは「リビングの窓を開けてください」というような日常的な指示に対応することで、高齢者や障害者の生活をサポートします。このようなユースケースでは、自然言語による操作が生活の質を向上させる鍵となります。

他の選択肢との比較

本システムの代替として、クラウドベースの音声認識API(例:Amazon Alexa、Google Assistant)とROS2の連携があります。これらのサービスは、自然言語処理の精度が高いものの、インターネット接続に依存し、プライバシー面でのリスクがあります。また、応答に遅延が発生するため、リアルタイム性を要求するロボット制御には不向きです。一方で、Ollama+ros2aiの組み合わせは、ローカルでの処理によりこれらを克服しています。

従来のROS2プログラミングとの比較では、コードベースの制御が複雑な反面、論理の再現性が高い点が挙げられます。しかし、プログラミング知識がないユーザーには敷居が高く、自然言語制御はその壁を取り払うメリットがあります。また、専用のGUIツール(例:ROS2 Rviz)もありますが、これらは操作に学習コストがかかるのに対し、自然言語は直感的です。

他のLLM(例:Mistral、Qwen)との比較では、llama3.2:3bが軽量ながら高性能な点が強みです。Mistralは精度が高いものの、モデルサイズが大きく、RTX 2070では動作が不安定になります。Qwenは多言語対応が優れているものの、ROS2との連携を検証していないため、現実的な選択肢ではありません。本実験では、モデルサイズと精度のバランスを重視してllama3.2:3bを採用しました。

導入時の注意点とベストプラクティス

システム導入には、ハードウェアの選定が重要です。本実験ではRTX 2070が十分な性能を発揮しましたが、大規模モデルを扱う場合はVRAM容量に注意が必要です。例えば、llama3:70bを動かすには、H100やA100クラスのGPUが推奨されます。また、32GBメモリの環境では複雑な処理で負荷が増えるため、64GB以上を用意すると安定性が向上します。

プロンプト設計においては、曖昧な指示に対するロバスト性を高める工夫が求められます。例えば、「ゆっくり前進してください」のような指示を「0.05m/sで前進してください」と変換するカスタムプロンプトを用意する方法があります。また、エラー発生時のフォールバック処理を設定し、LLMが不適切な出力を行った場合に安全な停止動作を実行するように設計しておくと安心です。

実装時のテストは、単体のコマンドから段階的に進めることが重要です。最初は「前進」や「停止」などの基本動作を検証し、その後複雑な指示(例:「障害物を避けながら前進」)を追加していきます。この際、ros2aiのログを監視し、LLMの出力が想定通りにROS2に反映されているかを確認します。また、Gazeboシミュレーションで動作を確認した後、実際のロボットに移植する際にはセンサ精度や環境要因を考慮する必要があります。

今後の展望と発展の可能性

今後は、LLMの進化に伴う精度向上が期待されます。現在は明確な指示に限定していますが、将来的には「ゆっくり前進してください」のような曖昧な指示も、LLMが文脈を理解して適切な速度に変換できるようになります。また、多言語対応が進むことで、非英語圏ユーザーの活用範囲が拡大される可能性があります。

技術面では、量子化技術の進展が性能向上に貢献します。EXL2やvLLMなどの新しい量子化方式により、モデルサイズをさらに小さくしながらも精度を維持できるようになります。これにより、低コストなGPUでも大規模モデルの運用が可能になり、ローカルLLMの普及が加速します。また、ROS2とLLMの連携が強化され、複数ロボットの協調動作や動的環境への適応が可能になることが期待されます。

応用範囲の拡大として、医療分野での活用が注目されています。手術支援ロボットに自然言語で指示を出せば、医師の負担を軽減できます。また、災害現場でのロボット運用では、時間短縮を図るために自然言語制御が有効です。このような分野での実装が進むことで、ロボット技術の社会的価値がさらに高まります。


📰 参照元

Ollama + ros2ai(ROS 2 Humble)で「自然言語で指示→/cmd_velを1回publish→Gazebo(TurtleBot3)が動く」を試してみた

※この記事は海外ニュースを元に日本向けに再構成したものです。

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