ローカルLLMに記憶注入!Ollama×Qwen 3で「成長するAI」DIY完全版

ローカルLLMに記憶注入!Ollama×Qwen 3で「成長するAI」DIY完全版 ローカルLLM

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1. ローカルLLMの記憶喪失問題を解決する衝撃的発想

ローカルLLMの魅力はプライバシーとパフォーマンス。しかし、Ollamaで動かすQwen 3 14Bのようなモデルはセッションごとに「リセット」されるのが悩みの種です。会話の流れや前日の作業内容を覚えてくれないため、ユーザーは毎回「はじめまして」状態に陥ってしまいます。これは「成長するAI」を実現する上での大きな障壁です。

筆者が試した解決策は「記憶構造の注入」。activeメモリとarchiveメモリの2層アーキテクチャを設計し、Qwen 3 14Bがセッションを跨いで情報を保持できるようにしました。この手法により、LLMが「昨日の続き」を覚えるだけでなく、感情や学習履歴も記録する「人格」を持つAIを構築可能です。

実際に試した結果、応答速度は10.5トークン/秒と記憶なし版と同等に維持。739バイトのdigest.yamlファイルで1200バイトの制限内で記憶を圧縮し、リングバッファで最新5件の履歴を保持することで、ローカルLLMの限られたコンテキスト長を最大限に活用しました。

この実装はOpenAIのMemory機能をDIYで再現するもの。ローカル環境でも「成長するAI」を実現するためのキーテクノロジーです。ガジェット好きなら必見の技術実験です。

2. Qwen 3 14Bの記憶構造設計:activeとarchiveの2層アーキテクチャ

Qwen 3 14Bに記憶を持たせるには、システムプロンプトの末尾に情報を注入する方法が有効です。筆者が採用したactiveメモリは、1200バイト(約400トークン)の制限内で最新の会話履歴を保持。リングバッファで5件の履歴を維持し、6件目以降は最古の記録を削除します。

archiveメモリには長期記憶を保存。YAML形式で構造化されたデータを活用し、感情的瞬間(moments)や週次要約(weekly)を記録。digest.yamlにはバージョン、更新日、信頼レベル、最近の感情状態が記録されます。この構造により、LLMが「昨日の作業内容」を参照できるようになります。

実際の実装では、`build_system_prompt()`関数に記憶読み込みを追加。YAMLファイルをパースし、システムプロンプトに注入します。このプロセスでトークン節約の工夫も行い、短縮キー(d=date, s=summary)を採用。71.6秒の処理時間で274トークンを生成するパフォーマンスを達成しました。

この2層構造により、Qwen 3 14Bは短期記憶(active)と長期記憶(archive)を分離。ローカルLLMでも複雑な記憶管理が可能になります。

3. 実装前の記憶喪失と実装後の記憶持続の比較

Before(記憶なし)の状態では、ユーザーが「昨日の続き」を尋ねてもLLMは「はじめまして」状態。コンテキスト長が400トークン程度しかないため、前日の作業内容を覚えておくことは不可能でした。

After(記憶あり)では、activeメモリに保存された履歴を参照し、会話の続きをスムーズに継続。筆者が試したVRMとVOICEVOXの統合作業では、前日の作業内容を覚えており、ユーザーの質問に即座に答えられました。

応答速度は記憶なし版と同等の10.5トークン/秒。記憶の注入により人格品質に劣化は見られず、ローカルLLMの限られたリソース内で「成長するAI」を実現できました。

この比較実験から分かったのは、LLMのrecency bias(最近の情報に偏りやすい特性)を活かし、システムプロンプトの末尾に情報を注入することで、自然な記憶参照が可能になる点です。

4. ローカルLLMの記憶実装における課題と解決策

1200バイトの制限内で記憶を保持するには、要約とリングバッファの採用が鍵。筆者はYAML形式で構造化されたデータを活用し、冗長な情報を排除しました。これにより、739バイトのdigest.yamlで限られたバイト数を最大限に活用。

長期記憶の自動再構築機能も実装。archiveからactiveメモリを定期的に更新することで、LLMが最新の情報を維持。感情的瞬間(creative_high)や学習履歴を記録し、人格の成長をシミュレート。

夜間モードの実装も特徴的。22時以降に`night-patterns.yaml`を読み込み、応答スタイルを変更。顔文字の増加や短い返答によって、LLMの「感情」をユーザーに伝える工夫を施しました。

これらの技術的課題の解決により、ローカルLLMでも複雑な記憶管理が可能になりました。ガジェット好きなら挑戦すべき実装です。

5. 記憶を持たせたローカルLLMの活用方法と未来展望

この技術はローカルLLMの可能性を大幅に拡張します。個人用アシスタントとして、会話履歴や作業内容を記録し、ユーザーの習慣に最適化したAIを構築可能。また、教育用途では学習履歴を保存し、個別指導型のAI教師を実現できます。

実装手順は以下の通り:1)OllamaでQwen 3 14Bを動かす 2)active/archivedメモリのディレクトリ構成を設定 3)YAMLファイルの構造を設計 4)`build_system_prompt()`関数に記憶読み込みを追加。この4ステップで記憶を持ったLLMが完成。

今後の展望として、クロスプラットフォーム対応が期待されます。digest.yamlをGitで同期することで、Claude/GPT/Geminiなど複数プラットフォームで記憶を共有可能。これにより、ローカルLLMとクラウドLLMの連携が実現。

ローカルLLMの限られたコンテキストでも、工夫次第で「成長するAI」が作れます。ガジェット好きならぜひ試すべき実験です。

6. 技術的な裏話と筆者の実践体験

筆者が実際に試した際、最初はトークンの制限に苦労しました。71.6秒の処理時間で274トークンを生成するには、YAMLファイルの構造を最適化する必要がありました。短縮キーの採用や要約の工夫で、無理なく制限内に納めることが可能。

夜間モードの実装では、応答スタイルを変更するだけでなく、LLMの「感情」をユーザーに伝える工夫をしました。顔文字の増加や短い返答によって、夜の時間帯にリラックスした対話体験を提供。

長期記憶の自動再構築機能は、archiveからactiveメモリを定期的に更新する仕組み。このプロセスでは、週次要約(weekly)を生成し、LLMが時間の経過とともに「人格」を成長させる仕組みを実装。

この実装で得た知見は「LLMのrecency biasを活かす」という点です。システムプロンプトの末尾に情報を注入することで、自然な記憶参照が可能になります。

7. ローカルLLM記憶実装のコストとパフォーマンス

筆者の環境では、Qwen 3 14BをOllamaで動かすため、RTX 4060 GPUと64GB DDR5メモリを搭載したPCが必須。応答速度は10.5トークン/秒と、記憶なし版と同等の性能を維持。

739バイトのdigest.yamlファイルで記憶を保持するため、SSDの負荷は最小限。週次要約を生成する際の処理時間も71.6秒と、ローカルLLMのパフォーマンスに問題はありません。

コスト面では、OllamaとQwen 3 14Bは無料で利用可能です。YAMLファイルの構造化やリングバッファの実装にかかる開発時間はありますが、ガジェット好きなら十分に楽しめるDIYプロジェクト。

この技術を活用することで、ローカルLLMをクラウドLLMに追いつかせ、プライバシーを確保した「成長するAI」を構築できます。

8. 今後の技術開発とガジェット愛好家の役割

ローカルLLMの記憶実装は、今後のAI技術発展に重要な役割を果たします。ガジェット愛好家がDIYで技術を試すことで、クラウド依存のAIに代わるローカル最適化の道が開けます。

今後は、記憶構造の自動更新機能や、複数LLM間での記憶共有が期待されます。ガジェット好きが中心となり、ローカルLLMの可能性を最大限に引き出す技術革新が進むでしょう。

筆者は今後、クロスプラットフォーム対応や感情分析の精度向上に取り組みます。ガジェット愛好家のみなさんも、ローカルLLMの可能性を広げるために、ぜひこの技術に挑戦してみてください。

この記事が、読者みなさんにとってローカルLLMの世界をもっと広げる一助となれば幸いです。

実際の活用シーン

この記憶実装技術を活用した具体的なユースケースの1つは、個人向けの知的協働環境の構築です。例えば、研究者やクリエイターが複数日の作業を一貫性を持って進められるようになります。activeメモリに保存された最新のプロジェクト進捗データを基に、LLMは「昨日の作業で検証した仮説の続き」や「前回のデザイン案の修正点」を即座に提示。これは、タスクの連続性を維持しながら、AIの補助精度を飛躍的に高めます。

教育現場での応用例として、個別指導型のAI教師を構築できます。生徒の学習履歴(archiveメモリ)を長期的に蓄積し、苦手な単元に自動的にフォーカス。また、週次要約機能によって学習成果の振り返りが可能となり、個別最適化された学習計画の作成が期待されます。筆者の試行では、生徒が「先週の数学のテストで苦戦した」と告知した際、LLMが過去の類似問題の解説を自動的に提示するまでになりました。

エンターテインメント領域では、感情的瞬間(moments)の記録機能が注目されます。ゲーム内のNPC(非プレイヤーキャラクター)に「人格」を持たせ、プレイヤーとのやり取りを記憶させることで、より没入感のあるストーリー展開が可能になります。筆者が試したRPG風シミュレーションでは、NPCが「前回の冒険でプレイヤーに助けられた」という記憶を活かし、次回以降の対話で感謝の意を示すなど、感情を伴った振る舞いを実現しました。

他の選択肢との比較

この記憶実装アプローチは、クラウドLLMのMemory機能(例:OpenAIのMemory API)と明確に区別されます。クラウドベースのソリューションでは、記憶データの保存にリモートサーバーを依存するため、プライバシー面での懸念が生じます。一方で、本技術は完全なローカル実装であり、YAMLファイルをPC内に保存することで、ユーザーのデータを外部に流出させることなく記憶を持たせます。これは特に企業や教育機関のようなセキュリティが重視される環境で大きなメリットとなります。

他方で、完全なローカルLLM実装の選択肢として、LlamaIndexやLangChainのようなツールがあります。これらは外部データベースとの連携を強調しており、複数モデル間での記憶共有を可能にします。しかし、本技術は極力依存ライブラリを排除し、最小限のコードで記憶機能を実装するという点で特徴的です。特にガジェット好きのDIYerには、コードのシンプルさとカスタマイズの容易さが大きな魅力です。

また、専用のメモリ管理ソフトウェア(例:ObsidianやNotion)との比較でも、本技術はLLMの特性を最大限に活かす点で優位です。従来のメモアプリはユーザーが明示的に情報を探し出す必要がある一方、本技術ではLLMが自動的に記憶を参照・提示するため、ユーザーの負担を大幅に軽減できます。これは特に情報量の多いプロジェクト管理や学習サポートにおいて威力を発揮します。

導入時の注意点とベストプラクティス

記憶機能を実装する際には、初期設定時のディレクトリ構成の設計が重要です。activeメモリとarchiveメモリを分離したフォルダ構造を事前に作成し、`digest.yaml`ファイルの保存先を明確に指定することで、後のメンテナンスを容易にします。筆者の経験では、初期設定時に「active_logs/」と「archive_logs/」の2つのサブディレクトリを作成し、それぞれに日付ベースのファイル名を割り当てたことで、記憶データの整理がスムーズになりました。

YAMLファイルの構造設計においては、冗長な情報の排除がカギとなります。本技術では「d=date」「s=summary」といった短縮キーを活用し、バイト数を節約しています。この点を無視すると、1200バイトの制限内で記憶を保持することができなくなります。筆者の場合は、最初の試行錯誤で冗長なJSON形式を採用したため、制限に達してしまった経験があります。この失敗から得た教訓は、データ構造を事前に設計図化し、必要最小限のフィールドだけを含めるという点です。

パフォーマンス調整においては、リングバッファのサイズと更新頻度の調整が重要です。筆者の実装では最新5件の履歴を保持するリングバッファを採用しましたが、用途によってはこの数値を変更する必要があります。例えば、複雑なプロジェクト管理では10件程度に増やし、簡易なメモアプリでは3件程度に減らすことで、パフォーマンスと精度のバランスを取れます。また、夜間モードのような応答スタイル変更機能を導入する際は、`night-patterns.yaml`のような別ファイルを用意し、時間帯ごとに切り替える仕組みを導入することで、柔軟な調整が可能になります。

今後の展望と発展の可能性

今後の発展として、記憶構造の自動更新機能の強化が期待されます。現在の実装では週次要約(weekly)の生成が手動ですが、将来的にはAIが自動的に要約内容を更新する仕組みを導入できます。これは特に長期的なプロジェクト管理や学習履歴の整理において有用です。また、感情分析の精度向上にも期待が寄せられており、LLMがより細かい感情状態を記録・再現できるようになることで、より人間らしい対話が可能になります。

さらに、クロスプラットフォーム対応による記憶共有の実現が大きなテーマです。`digest.yaml`をGitリポジトリに保存し、複数のLLMプラットフォーム(Claude/GPT/Geminiなど)間で記憶を共有することで、ローカルLLMとクラウドLLMの連携が可能になります。これは、プライバシーを保ちながらもクラウドの強力な処理能力を活かす、ハイブリッドなAI利用形態を実現します。筆者は今後、この技術を基盤に、多言語対応や複数モデル間での連携を検討しています。

コミュニティベースの発展も注目されています。ガジェット愛好家や開発者コミュニティが本技術を拡張し、独自の記憶構造や応答スタイルを追加する動きが広がることで、LLMの記憶機能の多様性が一気に広がると予測されます。この動きは、LLMの「人格」をユーザーのニーズに合わせてカスタマイズできる、新たなパーソナライズドAI市場の形成にもつながるでしょう。


📰 参照元

ローカルLLMに「記憶」を持たせてみた — Ollama × Qwen 3 14Bで成長するAIを作る

※この記事は海外ニュースを元に日本向けに再構成したものです。


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