Moltbotで株式投資情報を自動収集!ローカルLLM活用の徹底解説

Moltbotで株式投資情報を自動収集!ローカルLLM活用の徹底解説 ローカルLLM

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1. 株式投資の情報収集にAIエージェントが登場

趣味で株式投資をしていると、保有銘柄の情報追跡は意外と手間がかかるものです。証券アプリを開いて株価をチェックし、決算発表や関連ニュースを手動で調べる日々。この情報収集の負担を軽減するため、アメリカのソフトウェア企業Ditto所属エンジニアが「Moltbot」というオープンソースのAIエージェント基盤を活用した自動化システムを開発しました。

従来の方法では、情報が証券会社アプリ・Yahooファイナンス・新聞サイトなどに分散されており、手動で集める必要がありました。しかしMoltbotを活用することで、銘柄データの自動同期や株価変動の即時通知、要因分析までを一括して実現しています。

筆者が実際に構築したシステムでは、Googleスプレッドシートをマスターデータとして活用。保有銘柄の更新を自動で反映し、Brave Search APIでニュースを収集、LLMによる文脈理解で「なぜ株価が変動したのか」を要約表示します。

この自動化によって、毎日の情報収集作業時間を70%削減し、情報の見落としを防ぐ効果も。特に週末の決算発表シーズンには、火曜日の午前中にすべての変動をキャッチアップできるようになりました。

2. Moltbotを活用したシステムの技術概要

Moltbotのコアとなるのは「Single Source of Truth(SSOT)」の設計思想。Googleスプレッドシートをマスターデータとして保有銘柄情報を管理します。このスプレッドシートとポートフォリオJSONファイルを同期する「portfolio-sync.sh」スクリプトが、銘柄の追加・削除を即時反映します。

情報収集の仕組みでは、Brave Search APIを活用したニュース検索が特徴的。株価変動が3%を超えると、自動で関連ニュースを収集し、LLMが要因を分析して報告書を生成します。このプロセスはcronでスケジュール管理され、7時・10時・14:30・17時といった特定時間に自動実行されます。

週次レポート生成にはTypstが採用されています。LLMが損益計算書を分析し、可視化された画像を生成。この画像はSlackやメールに自動送信される仕組みです。特に決算結果の可視化は、直感的な理解に役立っています。

技術的な工夫としては、LLMの処理を「理由調査」「要約生成」に限定しています。データ取得や閾値判定はシェルスクリプトで行い、LLMの計算リソースを無駄に浪費しない設計にしています。

3. 既存製品との比較と実際の使用感

従来の情報収集方法と比較すると、Moltbotシステムの優位性が明確です。証券会社アプリでは株価変動の通知が遅く、ニュースは手動で検索する必要がありました。一方でMoltbotは変動を即時検知し、関連ニュースを自動収集するため、情報のタイムラグがありません。

また、LLMを活用することで「単なる数値」にとどまらない深い分析が可能。たとえば半導体銘柄の株価が上昇した場合、Moltbotは「AIチップの需要増」「米中の貿易摩擦」などの要因を抽出し、要約して提示します。これは従来のニュースリーダーやチャットボットでは実現できなかった機能です。

筆者の使用感では、週次レポートの自動生成が特に便利です。Typstによる可視化画像は、忙しい朝にスキャンするだけで状況を把握でき、投資判断のスピードが向上しました。ただし、LLMの分析には時として誤解が生じるため、最終判断は自ら行う必要があります。

コスト面では、Brave Search APIの利用がポイント。月額10ドル程度で利用でき、これに加えてローカルLLMの運用コスト(GPU使用時)を合わせると、従来の有料ニュースリーダーよりも安価です。

4. 自動化システムのメリットと課題

このシステムの最大のメリットは「情報の即時性と網羅性」。銘柄が増えても管理が容易であり、新規銘柄の追加時に自動でニュース収集対象に反映される設計です。また、週次レポートの自動生成で、投資の振り返り作業が一層スムーズになりました。

一方で、いくつかの課題もあります。まず、LLMの分析精度は100%ではなく、誤った要因を提示される可能性があります。これは特に日本株や新興市場の銘柄では顕著です。また、Brave Search APIの利用にはAPIキーの取得と月額課金が必要であり、完全無料ではありません。

技術的なハードルも存在します。スクリプトの作成やスケジュール設定にはLinux環境の知識が求められ、Macユーザーには多少の敷居があります。ただし、提供されているコードリポジトリを活用すれば、中級者でも1日で構築可能です。

コストパフォーマンスを考慮すると、保有銘柄が多い方や情報収集に時間を割きたくない方に最適です。一方で、少数の銘柄しか保有していない場合は、手動の方が反応が早いかもしれません。

5. 興味を持った人のための実践ガイド

このシステムを試してみたい場合、まずはGitHubに公開されているコードリポジトリから始めてください。Moltbotのインストールに加えて、GoogleスプレッドシートとBrave Search APIの設定が必要です。筆者の経験では、約4時間で基本的な機能を動かせました。

具体的な手順は以下の通りです。1. MoltbotのインストールとLLMモデルの選定、2. Googleスプレッドシートの初期設定、3. Brave Search APIのアカウント作成、4. シェルスクリプトのカスタマイズ。特にスプレッドシートのフォーマットは厳密なので、サンプルファイルを参考にしましょう。

カスタマイズポイントとして、株価変動の閾値(3%)や通知時間帯を変更できます。また、Typstによるレポートのテンプレートを編集すれば、自分好みの可視化が可能です。さらに、LINEやDiscordへの通知先を追加することで、移動中でも情報をキャッチできます。

今後の展望としては、米国株だけでなく日本株への対応が期待されます。また、LLMの精度向上に伴い、個別銘柄の業績予測やリスク評価の自動化も可能になるかもしれません。このシステムをベースに、自分なりの投資支援ツールを構築してみてはいかがでしょうか。

実際の活用シーン

具体的な活用例として、筆者が運用しているシステムでは、朝の通勤中にスマートフォンでSlackに届いた週次レポートを確認し、当日の取引戦略を決定しています。たとえば、前週の半導体関連銘柄の株価下落を受けて、LLMが「米中の貿易摩擦による需要減」「技術的競争力低下」を要因として抽出。この情報を基に、関連銘柄の売却を検討する判断が可能となりました。

もう一つのユースケースは、保有銘柄のリアルタイム監視です。Brave Search APIが米国株の決算発表を即時検知し、LLMが「営業利益の減少」「新製品の遅延発表」などの要因を分析。このプロセスは従来であれば1時間以上かかっていた作業を、10分以内に完了しました。

さらに、週末の決算発表シーズンには、Moltbotが金曜日の夜から土曜日にかけて複数銘柄の変動をキャッチアップ。月曜日の朝には、すべての変動要因を含む要約レポートが届くことで、従来の「火曜日午前中に情報整理」の負担を解消しています。

他の選択肢との比較

同様の目的で利用されるツールには、Yahooファイナンスの自動通知機能や、Bloomberg Terminalのような高機能ツールがありますが、Moltbotの独自性は「カスタマイズ性」と「コスト」にあります。Yahooファイナンスは通知が汎用的で、銘柄ごとの個別要因分析は行いません。一方、Bloomberg Terminalは高精度なデータを提供しますが、月額数千ドルの利用料がかかるため、個人投資家には敷居が高いです。

Moltbotは、ローカルLLMの活用でコストを抑えつつ、ユーザーのニーズに合わせたカスタマイズが可能です。たとえば、週次レポートのテンプレートをTypstで変更し、自社の財務データと比較する機能を追加したケースもあります。これは、従来のSaaS型サービスでは実現困難な柔軟性です。

また、競合となるAIエージェントツールでは、データ取得範囲に制限がある点が挙げられます。MoltbotがBrave Search APIを活用することで、多様な情報源からニュースを収集できるのに対し、他社製品は特定のメディアやAPIに依存している場合が多いです。

導入時の注意点とベストプラクティス

導入時に最も重要となるのは、LLMの出力精度に対する信頼性の管理です。筆者の経験では、LLMが「需要増加」を「需要減少」と誤認識するケースがあり、誤った判断を招く可能性があります。このため、システムの初期段階では、生成されたレポートを定期的に人間が確認するプロセスを組み込むのが推奨されます。

また、スクリプトのカスタマイズにおいては、Googleスプレッドシートのフォーマットを厳密に守ることが不可欠です。筆者が初期に経験したエラーでは、銘柄コードの入力ミスにより、データ取得が失敗するケースがありました。このため、導入時にはサンプルファイルを元にテストデータを作成し、エラー処理の確認を徹底する必要があります。

さらに、APIキーの管理も重要なポイントです。Brave Search APIやGoogleスプレッドシートのアクセス権は、ローカル環境で厳密に制限し、クラウドへのアップロードは暗号化を前提にするのが安全です。また、スケジュール設定にcronを使っている場合、時差ボケを防ぐため「UTC時間」で設定する習慣をつけると良いでしょう。

今後の展望と発展の可能性

今後、Moltbotは単なる情報収集ツールから「投資戦略の提案機能」を備えたシステムへと進化する可能性があります。たとえば、LLMが保有銘柄のリスク評価を分析し、「分散投資を検討するべき銘柄」を自動で特定する機能が追加されれば、投資の質がさらに向上します。

また、日本株への対応が進むことで、アジア市場の投資家にも広がりを見せると予測されます。特に、日本企業の決算発表は英語化が進んでいないため、LLMによる日本語処理能力が重要になるでしょう。この点で、日本語対応のローカルLLMモデルとの連携が注目されます。

さらに、コミュニティの開発者がMoltbotのプラグインシステムを活用し、新しい分析手法や可視化ツールを開発する動きも期待されます。たとえば、機械学習を活用した業績予測モデルを組み合わせるプロジェクトがGitHub上で進んでいるケースもあります。


📰 参照元

🦞Moltbot (旧Clawdbot)🦞に保有銘柄の情報収集をさせている話

※この記事は海外ニュースを元に日本向けに再構成したものです。

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